HOME > 学科案内|授業カリキュラム

授業カリキュラム

早稲田大学の建築教育では、デザインを重視し、1年生から専門教育を開始することを伝統としています。これは、個人の力やビジョンを強く育成し、社会の要請に応えるという早稲田建築の基本的理念からきています。
2000年には、この理念を一層明確にし、また建築学科卒業生の7割以上が大学院に進学するという現状を踏まえ、カリキュラムを6年間一貫※のものへ再編しています。このカリキュラムは、JABEE(日本技術者教育認定機構)により認定され、UNESCO/UIA建築教育憲章に対応する教育プログラムとなっています。

※カリキュラムは大学院・学部の6年を一貫するビジョンの元に編成されていますが、学部と大学院が統合されたわけではありません。従来通り学部4年間で卒業し社会に出ることも可能です。また大学院に進学するには試験に合格する必要があります。

早稲田の建築デザイン教育の伝統

早稲田大学の建築教育の伝統として、デザインを重視していることがあります。その中心には「設計製図」と「設計演習」があります。設計製図は「住宅」や「美術館」などの通常の設計課題で、設計演習は「光の箱」や「植物的建築」などの、特に感性を鍛える課題に取り組みます。同時にこれらの課題には平行して学習している専門領域を束ねる役割も期待されており、カリキュラムの芯として学部4年間を貫いています。
早稲田では専門領域の学習も1年生から開始します。1年生の必修科目としてすべての教員の専門分野と建築との関わり、あるいは実社会との関わりを学ぶオムニバス形式の「建築と建築工学」や「建築・都市と環境」、「建築と社会」を配し、建築分野の全体像を把握できるようにしています。1年生から少しずつ専門領域に触れさせ、その統合化の作業として設計製図に取り組む。このプロセスは内容を深め、レベルを上げながら各学年で繰り返されます。学部卒業前に取り組む卒業計画は、専門分野が異なる学生3名による共同設計であり、このプロセスの集大成ということになります。
学生は学部4年に進学すると、建築芸術分野(建築史学・歴史工学、建築意匠・計画学、建築都市計画学)と建築工学分野(建築環境工学、建築構造学、建築生産学)の各研究室に分かれて卒業論文に取り組み専門性を高めます。卒業計画ではこの専門性を超えて共同設計を行います。ですから3名の学生はそれぞれ異なった専門分野の研究室に属していることを条件としています。これは学問上の知識を統合化するということだけでなく、異なった分野の人材とコミュニケーションを取りながら進めるという訓練も兼ねています。これは全卒業計画、全卒業生がプレゼンテーションを行い、内容を教員に説明して審査を受けるという評価方針にもつながっています。

4年間(学部卒業)と6年間(大学院修士修了)のカリキュラム

1996年にUNESCOとUIA(国際建築家連合)が共同で制定した建築教育憲章には、今後世界的に相互承認可能とする建築教育の最低年限を5年以上と明記しています。すでにアジアでも5年制の建築教育が一般的になりつつあり、多くの卒業生や留学生が世界で活躍する早稲田大学としては、今後も継続して世界の市場で彼らと伍して競争していくために、この状況に対応する必要がありました。
そこで我々は、すでに大学院進学率が7割を超えるという現状を踏まえ、大学院でのより高い専門教育と併せた6年一貫のカリキュラムとすることでこの問題に対応しています。以前のカリキュラムでは学部の4年間と大学院の2年間がそれぞれ独立して置かれていたため、学部4年生は学部教育の集大成の年と位置づけられてきました。それに対して新しいカリキュラムでは、学部1年生から3年生までの3年間を建築教育の基礎的な教育課程、4年生から大学院2年までの3年間を建築専門教育課程と位置づけ、カリキュラムを作成しています。
最も大きな特徴は4年生のカリキュラムです。以前は卒業計画、卒業論文、共同設計、その他大学を卒業する前に習得しておくべき建築法規などの科目が配されていましたが、現在は卒業論文、卒業計画、そしてそれぞれの専門分野の演習科目だけとなっています。これにより学生が選択した専門性に応じた柔軟なプログラムが可能となりました。極端な例では、半年以上調査に出かけたり、海外の設計事務所で経験を積んだりしながら、卒業あるいは大学院に進学できるという柔軟性の高いカリキュラムになっています。
なお、学部4年間を修めて卒業し、就職あるいは他大学への進学や留学ができる事は従来通りです。卒業生の多くが建設会社、設計事務所、官公庁、住宅メーカーなどで活躍しています。

学習・教育目標 早稲田大学では以上のような伝統を鑑み、次のような学習・教育目標を設定しています。

創造理工学部?建築学科

  • A「早稲田建築」の伝統に学び、現代社会が建築・都市・環境に求めるものを知る
  • B地球的な視野と、地域に固有の歴史風土を理解する視点を、共に涵養する
  • C建築家および建築技術者の職能を理解し、社会に対する専門家としての倫理観を培う
  • D建築・都市のデザインおよび芸術性に関する幅広い知識を身につける
  • E進取の精神をもって、先進的な知識を積極的に吸収する力を培う
  • F関連する諸分野の知識を統合し、創造的な空間の提案をする能力を培う
  • G異分野の専門家と協働し、問題を実践的に解決する能力を培う
  • H建築に関する自らのアイディアを広く社会に提案する能力を鍛える

創造理工学研究科?建築学専攻修士課程?建築芸術分野

  • I「早稲田建築」の伝統に学び、現代社会が建築・都市・環境に求めるものに応える能力を培う
  • J地球的視野と地域固有の歴史風土を理解する視点を併せもち、国際的なフィールドで貢献する能力を養う
  • K建築・都市デザインの実務に触れる機会を持ち、建築家および関連する職能と、その現代社会において果たすべき使命を理解する
  • L建築・都市デザインの芸術性および歴史性に関する深い知識に基づいて、創造的な提案をする能力を身につける
  • M建築・都市および関連分野の、先端的な知識を積極的に吸収する能力を培う
  • N建築・都市および関連分野の既往の知見に基づき、生活や地域に根差して幅広く課題を発見し、調査・分析する能力を培う
  • O教員および学生相互の協働作業を通して、建築設計・計画の問題を実践的に解決する能力を培う
  • P自らのアイディアを広く社会に提案し、異分野の専門家、ならびに一般市民との協働の中でリーダーシップを発揮する能力を培う

JABEE認定プログラム/UNESCO-UIA?建築教育憲章

 建築学科および建築学専攻(芸術系)のカリキュラムは、2009年にJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受け(学部JABEE、大学院JABEE同時認定)、同時にUNESCO-UIA建築教育認定評議会がJABEEを日本の認証システムとして認めたことから、建築教育憲章に適合した教育プログラムとして世界的に認められました。今後は日本で取得した製図科目の単位が海外の大学の製図系科目の単位と認められたり、そのまま建築士の受験資格に組み込めたりできるようになります。今後はこのような利点を活かした国際化、交流プログラムを展開していく予定です。
 JABEE認定とは、社会の要求水準を満たした教育プログラムに対する認定制度です。認定を受けた教育プログラムをJABEE認定プログラムといい、建築学科の卒業生は、原則として学部JABEE認定プログラムの修了者となります。修了者は技術士第一次試験が免除となり、修習技術者として実務の修習を行うことができます。また、法律に定める登録を行えば技術士補を名のることができます。