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建築学科の概要

私大の建築学科として最古の歴史を持つ本学科は、1909年の建築学科創設以来、毎年数多くの優れた人材を建築界に輩出し、国内外から高く評価されています。 地球上で人々が健やかに暮らし、学び、文化を創造していく上で欠くことができないのが、生活の舞台としての建築であり、都市なのです。早稲田大学建築学科では、わが国の自然環境や歴史、風土とも共生し、世界に誇れる建築文化を確立するために、豊かな生活環境を築き社会に提供していく立場から、世界の多様な地域に固有の伝統と文化に根ざす、広義の「建築デザイン」の方法を学びます。ここでいう建築のデザインとは、単なる形の上での意匠設計のみを意味するのではなく、建築学の両輪をなす芸術と工学を融合した、建築の修復、保存再生、安全性、持続可能性、およびまち並みの再生や市民参加の方法論を含む、統合的なデザインを意味しています。

大学院建築学専攻では、社会に貢献するこれまでの様々な研究教育の活動を、2003年度よりとくに「美しい社会環境形成のための建築デザイン研究」として諸分野を横断する統合的な研究課題に再編し、新たなその活動を開始しました。これまで個別に行われていた海外大学との共同研究、国際ワークショップなどのネットワークを基礎に、より世界的な視野に立って公式の拠点研究に位置づけ、教育研究成果のさらなる充実を図ります。

日本には東アジア地域の国々と同様、微妙で繊細な自然風土、環境の上に生活空間が築かれてきた伝統があります。しかし、これらの国の建築景観や修景の文化は西欧近代の機械技術文明の奔流の中で、その脆弱さ故に存続の危機に瀕しています。アジア諸国とも協調し、景観、機能、安全の面からも魅力ある建築とまち並みのデザインを実践して行かねばなりません。今後本学がこの研究を推進し、世界一級の建築家や研究者と若手の建築家、研究者らが集って、美しく、快適で、安心・安全な建築デザインを議論する、そこが世界への登竜門となるような国際ワークショップを開催していきます。

「人・建築・都市・自然をつなぐ統合的デザインの実践プログラム研究」と題して、国内外の現実の地域の中から、21世紀の社会を展望する上で特に重要な地域を、重点的なパイロット・プロジェクトに選定し、具体的なデザインの指針作りを目指します。豊かな文化、美しい生活環境の創造には、たち並ぶ個々の建築が、地域固有の風土や文化に深く根ざしつつ丹念にデザインされる必要があります。本学では、地域を構成する「人」「建築」「都市」「自然」が互いに有機的に関連しあいながら年月とともに調和のとれた生活環境を形成していくための、実践的なグランド・デザインの構築を目標として、それがそのまま若手研究者、大学院生、学部学生にとっても得難い実践的なデザイン教育の場となるよう、学部・大学院の教育研究のプログラムを編成しています。

建築学科および建築学専攻は建築芸術学分野と建築工学分野から構成されています。建築史は各時代の建築表現や技術、また社会と建築の関連を幅広く学びます。近年ではエジプト、カンボジアのアンコール、ベトナムのフエなど海外の歴史遺産の修復保存も手がけています。建築計画は建築家として活躍する教員による実践的な設計演習を中心に、国内外で活躍する建築家や建築企画者の養成を目指します。都市計画は徹底した現場での演習を基礎に、都市デザインから市民参加のまちづくりまで実践的に研究するとともに、職能確立のための人材育成をおこないます。環境工学は環境エネルギー問題への対応をめざし、建築設備、建築環境、都市環境、防災工学の技術や理論を研究します。建築構造は建築物の安全性を確保するため、地震工学、耐震構造、振動工学、弾性力学、曲面構造、土質・基礎工学から構造信頼性、構造制御、制震構造、免震構造まで幅広く研究します。建築材料及施工は新素材、新構法や施工技術の開発や生産管理などの実務に直結する課題について研究します。学部・大学院を通して、2007年度より、学部および大学院修士課程の合計6年間を対象とする。JABEE(日本技術者教育認定機構)の教育認定を目指した新カリキュラムをスタートさせ、教育のさらなる充実を図ります。