2012.12.11 UP

東日本大震災復興大槌町日中共同調査設計ワークショップ研修/成果物展示会・発表会(大槌町小鎚神社)の報告

 〈3・11〉東日本大震災以後、早稲田大学復興拠点研究「文化遺産から学ぶ自然思想と調和した未来型復興住宅・都市計画に関する総合研究」(代表 中川武)の一環として、最も深刻な津波の被害を受けた地域の一つである岩手県大槌町の復興計画を巡って、中国清華大学建築学院と早稲田大学建築学科共同のワークショップを行いました。
 私たちは、神社や民家などの被災した有形文化遺産と民俗芸能や祭などの無形文化遺産の修復、再建、特に有形・無形文化遺産が相互に補完し合い、お互いが、それこそ有形無形の励ましによって、地域の復興の力になっていきそうな様々な萌芽をいろんな場所や局面で眼の当りにし、約1年間のサーベイを経て、具体的な再生プロジェクトに絞り込む準備を進めてきました。一方、中国清華大学建築学院の皆さんが東北復興の課題に関心をもたれ、2011年8月に早稲田大学を訪問されました。その際、東北大学での意見交換、花巻市や大槌町の共同調査などを経て、大槌町で共同ワークショップを、ということになりました。幸い、これまでおつきあいいただいた住民グループの専門家の方々そして大槌町と稲門建築会へ寄せられた東北復興研究基金のご協力が得られ、両大学の学生、教師、総勢27名のワークショップがスタートしました。
 5/3の午後には、地元住民を招いての公開最終成果講評会を浪板交流促進センターのホールで行いました。
 4グループとも、大槌町全体の地形と伝統的宗教、文化空間の構造や経路、即ち、海、里、山の縦軸を主体とした、安全避難経路、生活、実教、文化空間として見直し、その再生を構想した計画案でありました。ハード面が弱いという講評もありましたが、参加住民の中から、「伝統的環境の復活につながるこういう考え方もあるんですネ」との評価もありました。
 清華大側では、半年間のスタジオ課題としての取り組みであったため、事前、事後と継続的に活動し、ワークショップ以後も案を充実発展具体化しました。早大側は、様々な立場や学年の混成チームでありましたが、有志の6名がその後もディベロップに努めてくれました。最終的に早大清華大学で6つの案が完成しました。ワークショップの案、最終案はポスターに掲載しています。

ワークショップ案・最終案

 10月7日〜21日には大槌町小鎚神社で本プロジェクトの成果物の展示会を行い、21日に同会場で発表会を行いました。

 作業、発表の場となった浪板交流促進センターは、私たちの活動に十分なスペースがあり、広い地域の調査のための機動力も十分用意できたこと、など多くの方々にご協力して頂いたおかげで、参加者一同、円滑に取り組むことができました。特に、施設提供などの多方面で協力して頂いた大槌町の役所や関係者の皆様、寄付金を提供して頂いた建築稲門会・建築学科に深く感謝を申し上げます。


□開催概要
 日程: 2012年4月27日(金)~5月4日(日)
 場所: 岩手県大槌町
 参加者: 早稲田大学建築学科学生8名、清華大学建築学院学生8名、両大学教員 計27名

 ワークショップ運営者: 中川武
 共催: 大槌町教育委員会、早稲田大学東日本大震災復興研究拠点 ・自然文化安全都市研究所
 後援: 清華大学建築学院 大槌町郷土芸能保存団体連合会 まごころ広場うすざわ(代表・臼澤良一)

・早稲田大学自然文化安全都市研究所ホームページ
http://www.tohoku-waseda.jp

・ワークショップ特設ページ
http://www.tohoku-waseda.jp/site/ws201204/