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建築学科/建築学専攻主任の挨拶

21世紀は未曾有の出来事が次々に起こりました。しかし人間による構築行為は常に続いてきたことを忘れたくはありません。早稲田大学建築学科は、私大の建築学科として最古の歴史を持ち、内外に数多くの優れた人材を輩出しています。創設以来建築デザイン教育を重視する姿勢を保ち、さらに新しい時代の要請に応え、時代を率先して作るための様々な新領域も生まれつつあります。

学科目・教員とも、建築芸術分野と建築工学分野がバランス良く建築学の全域を網羅しています。さらに、建築界の第一線で活躍されている大勢の実務家を非常勤講師として迎え、学問と実務の架け橋を図っています。 入学者の選抜では、一般入試のみならず、AO入試、他大卒業生の編入、さらに附属・系属校、指定校の推薦入試など、意図的に価値観・バックグラウンドが異なる多様な人物を選抜しています。同じように大学院建築学専攻では社会人経験者や英語学位プログラムの留学生も多数在籍しています。人々の切磋琢磨が醸し出す場の空気が、互いに刺激を与え相乗効果を生んで学部4年間の集大成に当たる「卒業計画」を、専門分野の異なる3名のグループで行っている理由も同じです。建築が総合の学術であることを今後も重視していきたいと思います。学部3年次までの建築基礎教育課程では、建築学の主たる専門科目を幅広く学び、学部4年次から修士課程までの建築専門教育研究課程では、研究室に所属し、専門的な学問・技術を修得して、社会に貢献する研究に展開していきます。単に知識を学ぶだけではなく、各研究室が取り組んでいるプロジェクトやフィールドワークに加わり、実社会の課題に向き合い解決する実践的な能力を身に付けます。

将来、建築に係る様々な分野で活躍し、未来のための真に豊かな「生活」、「社会」そして「環境」をデザインできる人材を養成します。






建築学科/専攻主任 中谷 礼仁 教授

(2022年9月~)




建築学科/建築学専攻の概要

早稲田大学建築学科は、私大の建築学科として最古の歴史を 持ち数多くの優れた人材を建築界に輩出するなどして、国内外 から高く評価されています。創設以来、建築デザイン教育を重 視する姿勢を貫いてきています。建築学を建築芸術分野、建築 工学分野に分け、前者は建築史、建築計画、都市計画の各系、後 者は環境工学、建築構造、建築生産の各系から構成されていま す。各々の系での研究や教育が建築における実践や理論におい て大きく統合されることを理想としています。
建築学科の学科目では理性と感性とを同時に養いつつ、低学 年では広く、高学年ではより専門的に深く学習を進めることが できるようにカリキュラムが組立てられ、分析的な学問のみで はなく、それらを基礎とした意匠から工学までの広い意味の建 築デザインを総合的に学習して行くことを特色としています。設 計製図をその中心におき、関連する講義や演習と共に,幅広い 知識を統合して建築をとらえます。2007 年度からは、日本技 術者認定機構(JABEE)や国際的な認定基準に対応しています。
大学院の建築学専攻の中、建築芸術分野は、建築の変革と創 造の理論を歴史的に考究する建築史、建築における現代の創造 そのものを命題とする建築設計・計画、建築の集合としての都 市に視点をあてる都市計画の、それぞれが各々の命題と研究方 法の独自性を持ちつつ、修士課程においては、専門的深化に閉 ざされず、建築に対する計画者としての広い視野と高い見識の 養成を等しく目標としているのが特質です。なおかつ、新たに 創設された日本技術者教育認定機構(JABEE)の修士課程プロ グラムの認定基準にも対応する新しい教育内容となっています。
建築工学分野は、それぞれ独自の性格をもちます。環境工学 は、建築・都市における快適で健康な環境と建築設備システム の計画法、火災・水害等の建築災害の理論化と防災計画・技術 の開発、脱炭素社会に向けた省エネルギー技術や環境影響評価・ 合意形成技術等のソフト技術の開発と計画論に取り組んでいま す。建築構造では、構造材料、耐震構造、弾塑性力学、曲面構 造、地盤・基礎工学、振動工学、構造制御、制震(振)構造、免 震構造など、建築構造の基礎から構造設計への応用に亘る広い 範囲の研究開発が行われています。建築生産では、建築材料に おける新技術応用としての新素材の特性と用法、建築構造法各 種の異なる目的に対応した建築構法やディテールの開発、建築 生産システムと施工管理技術の開発などの実務に直結した課題 に取り組みます。
早稲田建築は実務においても芸術分野と工学分野が融合した 特徴を持ち、実学的な貢献を多くしています。



創造理工学部建築学科

建築学科では一貫して研究と設計を有機的に結びつけた実学 としての建築教育をモットーとしてきました。
本建築学科創設以来、その専任教授陣に常に多くの実践的建 築家を擁し設計実務と建築学の研究教育を融合した活動や、日 本固有の風土に根ざす建築デザインの研究を行い、かつ優れた 建築作品を数多く残しています。、また、構造・設備・都市計画 などの設計の分野、環境・防災・建築生産の工学分野、さらに は国内外の歴史遺産の保存修復など、およそ建築を取り巻くあ らゆる分野において学問研究と実践を両立する、優れて実学的 な教員団を構成しています。
本建築学科の教育の特徴は、こうした伝統的な本建築学科の 特徴を十二分に発揮するよう学部と大学院修士課程を一貫させ た「6年制カリキュラム」にあります。学部1~3年次の前期3年 間を「建築基礎教育期間」として、国内外の建築史、現代社会 の要求に応える建築・都市デザイン、その様々な表現方法、わ れわれを取り巻く身近な生活環境から地球環境までの諸問題、都 市のインフラや防災の技術、地震などに対抗する構造力学、建 築生産など建築学全般の広範な知識を身につけることを目的と しています。これらの知識を統合する力を養うのが、並行して 課される設計演習や設計製図を中心とした豊富な実技系科目で あり、より総合的な建築表現および創造的な建築を生み出すト レーニングを行います。
学部4年から修士課程2年次にわたる後期3年間を「建築専門 教育期間」とし、建築芸術分野と建築工学分野に大別される研 究室をベースに専門的知識や調査・分析・問題の抽出、創造的 な提案を行うための科目が配置されています。また異分野の学 生や教員が協働し専門分化しない幅広い分野の先端的知識を学 び、国際的なコミュニケーション力を培い、国内外の実社会の 課題に対する問題解決、実践的提案を行うトレーニングを行い ます。
本建築学科では、このように建築学の両輪をなす芸術と工学 を融合した広義の「建築デザイン」の方法を学び、学部4年次 の卒業論文および卒業計画の両方を履修して、学士課程4年間 の学習・研究成果を深化させることを主眼としています。更に 大学院へ進学する者は、建築学専攻・修士課程において各研究 指導分野に応じた高度な専門分野の学習・研究を行いながら、単 に専門的深化に留まることなく建築に対する計画者としての広 い視野と高い見識の修得を目指して修士論文または修士計画な どの研究へと進みます

創造理工学研究科建築学専攻

建築学科の大学院である建築学専攻には、建築学科卒業生の 約70%が進学し、それぞれの専門性を更に高めます。その一部 は博士課程へと進学し、多くが大学教員、国立研究所、民間研 究機関等の研究者として国際的に活躍しています。
大学院では、学生自身が選択する研究指導教員の研究室に所 属し、上級生と共にデザインの研鑽や研究に取り組み、専門分 野における各人の能力をさらに高めます。研究室では、本学卒 業者に加え、他大学からの入学者、留学生、社会人学生、また 共同研究を行う民間企業や自治体関係者等も加わり、実社会と 等しい設計活動や研究、演習が行われます。ここでの経験やネ ットワークが、社会人と活躍する礎となります。
教員の専門分野は建築や都市のデザイン分野、東西の歴史を 考究し文化財の保護や修復などにあたる分野、環境や防災、サ ステイナビリティの向上に取り組む分野、構造物の耐震性、免 震や制振、センシング分野、建築物の品質や生産性向上、マネ ジメント分野など多岐にわたり、実社会の様々な実務に対応す ると共に、社会が直面する新しい課題に取り組んでいます。学 生は研究室に所属してそれぞれの専門性を高めると同時に、専 門性を活かした分野横断的協働ができるよう、特論科目や演習、 インターンシップを通じて他分野を理解し、融合する力を身に つけます。
修士課程修了時には、全ての学生が修士計画、もしくは修士 論文を提出します。優秀な修士論文の成果は建築学会をはじめ とする国内外の学会で発表され、広く共有されて実社会で利用 されています。

修士英語学位プログラム

建築学専攻は2018年度より修士英語学位プログラムを開始し ました。世界各国からの留学生が日本で出会い、日本人学生と 共に建築を考究することを通じて21世紀の建築や都市が抱える 諸問題解決の新たな方法論を模索します。英語学位プログラム の学生も、日本語学位プログラムの日本人学生と共に指導教員 のゼミに参加します。大学院の授業も英語学位プログラムの学 生が履修する科目は、英語もしくは日英併用で行われています。
日本人学生と留学生が日常的に交わり切磋琢磨することで、国 際感覚豊かな技術者の育成を目指しています。