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入江研究室設計の北村学園こだま幼稚園子育て支援センターが竣工

北村学園こだま幼稚園子育て支援センターの概要:高崎に立つ幼稚園(「ナトゥーラの眼・こだま幼稚園 <内>と<外>の間ⅩⅥ」新建築誌2007年12月号掲載)と連関する施設であり、お母さん方の子育てを支援し、預かり保育等が行われる。1,2階に100㎡ほどの遊戯室の一室空間があり、西側から南側にかけて職員室や保健室、子育て相談室などの管理室関係諸室と厨房や水回り関係諸室と、階段室を箱状の在来的な間仕切り壁によるゾーンとしてまとめた。児童施設であることと、構造方式を構想するなかで木造の二階建てとした。外側からどのようにして内側の空間を包み込むのか、囲繞された空間をどのように支持するのか、考えたことは以下のとおりである。外皮はガルバニウムの小波板張りと竪はぜ張りの二種類の面の構成と展開であり、内皮は大方、対比的に県産材の杉板竪本実張りである。木造軸組みの道路側端部を出発点として、表裏方向でガルバニウムの小波板が展開進行しながら、それが南側に進行するとき、切り裂かれた開口部のコの字型サッシ枠端から発するSUS-FBの部材を転換点として、ガルバニウムの竪はぜ張り面が傾斜、屈曲し、さらに上昇して建築体上部を覆い、昇りきったところで下降し、屈折・回転して玄関入口庇へと至る。外側では建築構成部位を捨象する金属の面の展開が空間を内包し、内包された空間を木の柔らかい質感がさらに内側からくるみこむ。この空間を保持するために、1階は集成材大梁と柱組の組み合わせが、また2階は木と鉄の張弦梁をきりっとして、空間に架け渡すことで解決した。本プロジェクトは早稲田大学理工学研究所プロジェクト研究に基づくものである。「『新建築』2011年6月号掲載」